「ディフェンダーでも誰でも、点を取れる選手のことをストライカーと呼ぶんや」
国際Aマッチで日本歴代最多の75ゴールをマークしている釜本さんは豪快に笑い飛ばしながら、
日本代表が銅メダルを獲得した1968年のメキシコオリンピックを振り返った。
釜本さんは7ゴールをあげて、アジアの選手では初めて得点王に輝いている。
「メキシコ大会における日本の総ゴールが9。あとの2つは渡辺正さん(故人)があげたけど、アシストしたのはともに私です。
ストライカーは相手にマークされるから、味方が生きるスペースも生まれる。ストライカーはアシストも多いんですよ」
偉大なるOBの定義に則れば、鹿島アントラーズの成長株、20歳のFW鈴木優磨はまたひとつ、
ストライカーへの階段を駆け上がったことになる。
大宮アルディージャのホーム、NACK5スタジアム大宮に乗り込んだ4月1日の2017明治安田生命J1リーグ第5節。
鈴木が大仕事をなし遂げたのは、両チームともに無得点で迎えた79分だった。
中盤でこぼれ球を拾ったMFレオ・シルバからパスを受けて前を向く。
目の前に広がるスペースへボールを持ち出しながら、一瞬だけ左サイドをチェック。
長い距離をフリーで走ってきていたMF土居聖真の姿を確認しつつ、ミドルシュートを打つ雰囲気をプンプンと漂わせる。
当然のように、大宮守備陣の視線は鈴木の一挙手一投足に集中する。
菊地光将、河本裕之の両センターバックのポジショニングも中途半端になる。
ペナルティーエリアの手前まで相手を引きつけた上で、ノールックで最終ラインの背後を突いていた土居へスルーパスを送った。
「良いパスが出てくると信じて走り込みました。あまり(鈴木)優磨からのアシストはないんですけど」
トラップから素早く右足を振り抜き、ゴール右隅に流し込んだ今シーズン初得点に笑顔を弾けさせた土居とは対照的に、
感謝された鈴木はちょっぴり不満げな表情を浮かべていた。
「オレ、多分シュートがゼロなので。そこは全然満足していないし、反省点ですね」
Jリーグが固定背番号制になった1997シーズン以降、黒崎久志、鈴木隆行、平瀬智行、現在はオーストラリアでプレーする田代有三、
そして大迫勇也(ケルン)と引き継がれてきた。
昨夏にFWジネイ(現湘南ベルマーレ)が退団してからは空き番となっていた
、ストライカーの象徴でもある「9番」を託した理由はただひとつ。鈴木満常務取締役強化部長が言う。
「本人も(変更を)希望していたかもしれないけど、僕たち(フロント)の方がそのように考えていた。
『34』から『9』はいわゆる大迫コースだからね」
鹿児島城西高校から2009シーズンに鹿島入りした大迫は、当初の背番号「34」を2年目から「9」に変更。
ゴールへの嗅覚だけでなく、周囲を生かせる巧みなポストプレーを武器に絶対的な主軸への階段を駆け上がり、
2013シーズンにはリーグ5位タイの19ゴールをマーク。ドイツへと旅立っていった。
昨シーズンのJ1で8ゴールをゲット。準優勝したFIFAクラブワールドカップ ジャパン 2016を含めて、
公式戦で11ゴールと2桁に乗せた鈴木の実績を評価した鹿島のフロントは、タイミング的にも「今がベスト」と判断したのだろう。
大迫とはタイプが異なるかもしれないが、ゴールだけでなく周囲も生かせる前線のマルチプレーヤーへ育って欲しい。
4月に21歳になるジュニアからの生え抜きの若武者に、常勝軍団をけん引していく自覚を持って欲しい。
2つの願いが背番号の変更に凝縮されている。
「アントラーズの『9番』は歴代のすごい選手がつけてきたので、オレもそれに恥じないような選手になりたい。
点を取って勝利に貢献したいです」
シーズン前からこう公言してきた鈴木は、AFCアジアチャンピオンズリーグ(ACL)などを含めた公式戦で、
チームトップの5ゴールをマークしている。J1で3試合連発を狙った大宮戦では不発に終わったが、
それでも土居から「あまりない」と指摘されたアシストには、ちょっとだけ言葉を弾ませた。
「自分のプレーの幅が広がっていることは、悪いことではないと思うので。これからもっと幅を広げていけるように、頑張っていきたい」
大宮戦では右足首を痛めたエース金崎夢生が欠場。74分にはペドロ・ジュニオールもベンチへ下がり、
デビュー戦となった途中出場の18歳、FW安部裕葵(瀬戸内高校)をけん引しながら完封勝利に貢献した。
開幕戦こそFC東京に屈した鹿島だが、これで第2節からは4連勝。首位・ヴィッセル神戸に勝ち点「12」と得失点差「+3」で並び、
総得点でわずかに「1」及ばない2位に肉迫した。
「最終的にはスコアで勝っていればいいので、今日はそれを遂行しただけです」
冒頭の話を釜本さんに聞いたのは、2000年のシドニーオリンピックの直前だった。
20世紀のことだが、ストライカーの定義そのものは普遍的なものでもある。
味方に生かされ、相手に与える威圧感を逆に利用して味方も生かす。
それでいてゴールへの渇望を抑えきれない若武者は、2018 FIFAワールドカップロシア アジア最終予選の
予備登録メンバー97人の中にも名前を連ねている。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170402-00570732-soccerk-socc&p=2
点は取るよな
点とった奴が1番偉い
たしかJデビュー戦だったのに鬼メンタルだと思ったわ
だから得失点差の勝負になると圧倒的に不利になる。
短期決戦向けだな
最近なんてめちゃくちゃ警戒されて対策されても結果出してるよな
ここで壁にぶつかって海外へ逃げるやつも大勢いるからな
この手のタイプは先発では使いづらい
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